[SML 7531] Re: オーバロードはポリモフィズムか?

AOKI Atsushi atsushi @ cc.kyoto-su.ac.jp
2009年 5月 2日 (土) 20:41:19 JST


青木@京都宇治です。

Sako Hiroshi さんは書きました:
> 実体として、 多く(poly) の形(morph)をとることができるという
> だけですね。

仰せの通りですね。多相性の「相」は、姿や見た目のことですから、
アスペクトにもつながるかしらん。

浅岡さんと私が多相性を解題する際に用いている絵図を開示します。
どうぞ自由に使ってくださいませ。動的束縛のあたりも図示できて
いると思います。これらの絵図を音読(声に出して読むことが)で
きれば、御の字でしょう。

http://www.cc.kyoto-su.ac.jp/~atsushi/misc/jpgs/OopDynamics1.jpg
http://www.cc.kyoto-su.ac.jp/~atsushi/misc/jpgs/OopDynamics2.jpg

先ほどの酒匂さんの言及に関して少々気になったことがありました。

仮想マシン(やガーベジコレクタ)を作成したことがある人ならば
通じると思いますが、Smalltalk プログラミングには、本来、代入
がありません。間接参照の束縛だけでやっているんです。

間接参照の束縛が anObject の言及(多相性)を根本で支える湧源
です。この源に立つと、メソッドサーチにおけるオーバーライドも
オーバーロードも湧いて出たものと看破でき、まだ他にも(メソッ
ドサーチ以外でも多相性を生み出す余地が)あるであろうと控える
器量を育んでくれます。

バベルの塔のごとく、オブジェクト指向プログラミングにおいても
プログラマたちに異なる言葉(ことのは)を話させようとする動力
が働いています。ユニファイしようなどと思わぬほうが、身のため
かもしれないのですが、そこをあえて。

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AOKI Atsushi          http://www.cc.kyoto-su.ac.jp/~atsushi/


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