[SML 7550] Re: オーバロードはポリモフィズムか?

AOKI Atsushi atsushi @ cc.kyoto-su.ac.jp
2009年 5月 16日 (土) 19:29:59 JST


子どもの日に書き下ろしていたのですが、ポストをためらっており
ました。すいぶんと経ってしまいましたが、ポストします。今ちょ
うど才川さんと私信でやり取りをしているところですしね。多数死
は隠蔽されがちだから。

-------- Original Message --------
Subject: Re: [SML 7535] Re: オーバロードはポリモフィズムか?
Date: Tue, 05 May 2009 16:25:23 +0900
From: AOKI Atsushi <atsushi @ cc.kyoto-su.ac.jp>
To: Smalltalkers' Salon Mailing List <sml @ smalltalk.jp>

Takafumi Saikawa さんは書きました:
> Smalltalkの多形には
> overloadingとinclusionが混在していると考えられますが如何でしょうか。

はい、そのように取ることもできますね。Cardelli さんと Wegner
さんの書いたものをすえても、分けるのは難しいものがありますよ。

Smalltalkの場合、メッセージセレクタ(文字へのポインタ)とコン
パイルドメソッド(関数へのポインタ)の束縛を抱えた辞書のひき
方(メソッドサーチ法)が一つ(単数)なのに、それを無理矢理に
局面で分け、三つ四つ(複数)にしているような感じも受けます。
それこそ、まさにポリモァ(多形)です。:-)

調査論文なので、文献学的というか、大した歴史もないのに歴史学
的でしょ。彼らの論文に基づく限りにおいては、書かれたものの範
疇から逸脱できないようにも思えます。プログラムも書かれたもの
ですし…。

# 多分に権威的に語られた事実っぽい(ディクタなのにファクタに
# してしまっている)ところもありますので、気をつけて。:-)

観察しているプログラム(1985年当時に見ることができたMesa/Ada
/Modula/ML/CLU/Smalltalkなどで書かれたもの)たちの調査分類よ
りも、自分の目の前でボツになって(村八分にして殺して)ゆくプ
ログラムの中に散見できた多形(多相)もどき(成り損ないや危う
い思考)のほうが、より多くを教えてくれるように思います。多数
死は隠蔽されがちなので。

# 調査論文はダメだと言っているのはありませんよ。確かに論文を
# 読んでもプログラミングは上手くなりませんけどね。:-)

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AOKI Atsushi          http://www.cc.kyoto-su.ac.jp/~atsushi/





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