[Squeak-ja: 2071] スクイーク・ラボ準備中(多摩美)(少し長文)

Ryoan Ishizuka lunatech @ OperaHaus.net
2004年 12月 12日 (日) 09:54:18 JST


石塚@多摩美術大学です。

 別の場所でアップしていたのですが、あらためてこちらにもアップします。

●スクイーク・ラボ準備中

多摩美術大学で「スクイーク・ラボ」を立ち上げるために奔走。

思い立ったのは7月。多摩美術大学で4日間の『スクイーク特別講座』をやっ
て、学生・その他からまずまずの反応があってから。かねてよりスクイークを
デザインの領域から動かしてみたかった。

多摩美術大学には「情報デザイン学科」があり、まさにデザインの行方をみつ
めているのだが、いままでそのなかにあった情報ツールはFlashとWebとCと
Java。どれもこれからのデザインの基盤とはおよそかけ離れている。そこにス
クイークを持ち込んだ。

はじめは「こどもの教育環境」として見られ、少し離れたところから見つめら
れる日々であったけれど、特別講座のときから「流れ」が変わった。

学内で色々と紹介や伝道を続け、少しずつファンを増やす。

そして多摩美術大学の特別講座の話題がMLで流れたのを機に阿部さんにお会い
する。新百合ヶ丘のファミレスでのひととき。とても愉しかった。つい自分の
「むかし」までも色々と語ってしまった。

阿部さんの話をお伺いして色々と考える。素晴らしきSqueakerの面々のこと、
HPのこと、HP-Squeakersのこと、Squeakのこと、これからやるべきこと、自分
ができること。

そこで考えたのがスクイーク・ラボ。大学のなかではっきりとスクイークをう
たう。そしてこの仕組みを利用してSqueakerたち、大学、研究機関、NPO、メ
ーカーが共同できる場をつくってしまおうかと。この仕組みを利用しながら、
ボランティアで献身的な努力を続けておられるあまたの方々の負担を少しでも
肩代わりするだけでなく、一緒に創造的な香道ができる場をつくりたい。そん
なところからスクイーク・ラボを構想する。

はじめは大学のなかでの根回し。幸いにも情報デザイン学科の須永教授は、は
じめからスクイークに非常に好意的。深い説明をしなくてもそのままに受け入
れてくれていた。日本の情報デザインの立役者であるだけのことはある。大学
のなかでの戦略は主に彼との間で練る。

須永教授の秘書的な役割であり、学生のお姉さん的存在の中田さん。彼女もな
かなかの理解者であるとともに、自分でも積極的に作業をしてくれる。

こんななかで阿部さんに相談し、HPと多摩美の橋渡しをやってみることにした。
その席で「サイト立ち上げ」の話が出る。即座に多摩美で運営すればよい旨の
提案。ふしぎとすんなり双方が受け入れて動きだした。上々。

また別に阿部さんと多摩美メディアセンター所長の石田晴久教授を引き合わせ。
これまでに石田先生も多摩美内で何度かスクイークの打ち合わせをさせて頂い
ていた。また、石田先生は大学と別に様々な事業スキームも持っている。この
引き合わせも上々。石田先生が一歩前に乗り出す。

さらに多摩美で特別講座を企画。阿部さんをお呼びして「世界聴診器」の講座。
約2時間のセッション。このときに外部(大学外)より、文化環境研究所研究
員の吉岡さん(CANVASの研究員でもある)をお招きして引き合わせ。さらに多
摩美内の先生他。これではじめのお膳立てが終る。

阿部さんからHP-Squeakersのキックオフ・セレモニー&ワークショップへのお
誘い。石田先生にもお願いして来賓挨拶をしていただくことに。HPの期待もあ
るので、まとめる。また、石田先生は以前アランケイさんとすれ違っていて、
ずっと心残りのよう。実は2度ほど話をお聞きしている。そこで一挙両得でこ
れもすっきり改称していただくことに。そして須永先生にはパネルを。「デザ
イン」の話を持ち出すことにする。

前々日。招待客もあり、人を呼ぶのが難しいのがわかっていたけれど、多摩美
のなかで「記録」してひろげたいとの意図からHP瓜谷さんに、もうひとり(中
田)を参加させて欲しいとのお願い。翌日HPよりOKをもらう。さっそく中田さ
んに伝え、デジカメ、ビデオによる記録をお願い。翌日会場に彼女はいつにな
くきちんとした出で立ちであらわれる。少し見直す。

さて、まずアランケイさん、パネル関係者による昼食会。ここで大島さんとご
対面。大島さんに会ってますますスクイークを確信。この日はなるべく須永教
授が前面に出られるように後方支援。もうひとつの方向を作る一歩としたい。

昼食会で少し頬を赤らめた須永教授が「デザイン」の話を持ち出す。少しタイ
ミングが早すぎた気もするけれど、すんなり応えてくれたアラン・ケイさんら
に感謝。こんな自然な懐感覚がいい。大学の研究室はこんな対話が絶対的に不
足している。

さて、セレモニーがはじまる。来賓挨拶で石田教授がちょっとプレゼン。「日
本人で私が最初にC言語をやったと思います」とはっきりと述べる。そしてネッ
トから探して来た「コンピュータ言語発展の図」に修正をいれながら、挨拶の
終わりに「これからはスクイークを応援します」の宣言が。石田教授にとって
はこの言葉はとても重みがある。あらかじめそこまで話をしていなかったのに、
先に当人の口からこの言葉が出てビックリ。大島さんがいち早く反応、拍手を
してました。

さて、アランケイさんのプレゼン。約30分。かつてはサイエンスもアートもひ
とつだった、という枕から「視点」の話へ。カエルは目の前で動かないものは
見えないという話から、画面上の角度が異なって置かれた机の面積が実は同じ
だという話から、スクイークは様々な視点を発見できるツールだという話。そ
う、科学は人間の外に向かうイマジネーション・ツールであったはずなのに、
このところは人間の欲望を拡大するツールになってしまっているのが悲しい。
これはアランさんではなくぼくの思い。

それからパネル。数日前に司会が急遽キム・ローズさんに変更。ちょっとひや
ひや。パネルはパネラーがそれぞれ5分の持ち時間で話をしてからディスカッ
ション?へ。中身はとてもまとまったものとはならずに付け焼刃的になってし
まったが、今回はこれが精一杯か。ここからはじめれば良い。

その後の和田小学校の児童、HP-Squeakersのこどもを招いてのワークショップ。
阿部さんが奮闘。セレモニー&ワークショップの裏方からワークショップの進
行から、招待した人同士の引き合わせまで奮闘。ホントにホントにご苦労様で
した。阿部さんがいなければきっと今回のイベントはとても社内的なものになっ
ていたでしょう。ディスカッションに比べてアランさんが笑っていたのが印象
的。

だいぶ端折ってしまいましたが、11月17日のセレモニー&ワークショップは概
ねこんな感じでした。

このセレモニーでぼくは山宮さん、Thoru Yamamotoさんとの対面を果たしまし
た。これはなによりの収穫。これからが愉しみ。

さて、多摩美に18日に出校。スタジオの入り口にアランケイさんと須永教授の
ツーショット写真が(中田撮影)。え〜これはまずいんじゃないの?なにせ須
永教授はこの日、会議を全部すっとばして(久保田教授に頼んで)行ってしまっ
たのだから。一日で草臥れ果てた果てた久保田教授。その目の前にツーショッ
ト写真。

久保田教授は、ミュージシャンでもあり未踏プログラマでもある。彼も今度ス
クイーク・ラボを覗きに来るそう。

さて、18日のいHPよりサイト運営のためのサーバーのシステムの立ち上げ。青
木さんに八王子キャンパスまで来ていただいた。このサーバーは暫定版で、来
年入れ替え予定。

サイトは、Squeakland.jp。ただいま翻訳(HP)およびデザイン調整(多摩美)
中。ボランティアでお手伝いいただける方は是非声をかけてください。

Squeakland.jpのサイトオープンは、12月22日の予定。火入れ式をやるととも
にささやかなパーティをしたいと思います。みなさんも是非おでかけください。
セレモニー&ワークショップの模様もお見せしたいと思います。

スクイーク・ラボの所長は石田晴久教授。副所長は須永剛司教授。ぼくと阿部
さんが研究員。学生の研究生がいまふたり。HPからもラボ構築のためのシステ
ムの支援をいただける予定。

現在ラボは準備中。対外的には来年4月に正式発足。と、いってもすでに作業
は山済み。誰もが利用できるプレゼンの資料づくりから、ネットワーク作りま
で。

さてみなさんもご一緒しませんか。ご一報くださいな。
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KOTONOHA Project '04
Ryoan Ishizuka -- like a transient fish.




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