[Squeak-ja: 2605] Re: SSS2005
Kazuhiro ABE
abee.abe @ nifty.ne.jp
2005年 8月 26日 (金) 12:50:27 JST
阿部%新百合@ビューポイントテクノロジーです。
早速の返信ありがとうございます。
On Thu, 25 Aug 2005 00:18:10 +0900
Takeshi FUJIOKA <fujioka @ db.soc.i.kyoto-u.ac.jp> wrote:
>> たぶんTIDEや堀川高校での取り組みについてのものだと思うのですが、よろしけ
>> れば内容を教えていただけると嬉しいです。
>
>はい,これは堀川高校での取り組みについて発表したものです.
>
>堀川高校には「探究基礎」という専門科目があります.
>この授業(週2時間)で,生徒達は少人数ゼミ(〜15人程度)に所属し,
>1年半の取組の集大成として生徒個人で研究論文を書くという取組を
>行っています.
論文を書くというゴールが設定されているのが重要な気がします。
目的も対象も異なるので一概に比較できませんが、初等教育における自由課題製
作の場合は、作品ができて終わりなので、方向性もばらばらで後に続きにくいよ
うな気がしています。
>この「探究基礎」で私は情報ゼミを開講し,まずはじめに半年弱かけて
>具体的なプロジェクトを通して,Squeak eToy の基礎を教えています.
>このプロジェクトは,現実の問題解決を前提にしたものをできるだけ
>とりいれるようにし,問題解決を体験的に学習することを通して
>コンピュータを使う意義や特徴などを教えています.1年目の授業
>アンケートでは,Squeak eToy はとても楽しいと答えた生徒が大半を占め,
>高校生であってもはじめてプログラミングを学ぶ生徒達にとって
>Squeak eToy は大変有効であることが示唆されました.
そういうデータがあるのはよいですね。
他の言語や環境と比較できると面白いと思うのですが、難しいでしょうか。
>また,Squeak eToy と問題解決の基礎を学んだあとは,「探究基礎」の
>最終Goalである個人研究と論文の作成に取り組みます.今回 SSS2005 で
>報告した学年の生徒達はたいへん意欲的に取り組む生徒が多く,
>本実践が始めてのプログラミング経験だったにも関わらず大変良い成果を
>出した生徒もおり,(ひょっとしたらご存知の方もおられるかもしれませんが)
>某科学賞で受賞した論文も出ました.↓
>http://event.yomiuri.co.jp/2005/science_49th/04_shokai_04.htm
これは知りませんでした。すごいですね。
# なんで「エクセル」だけは固有名詞が出ているのだろう。
HP-Squeakersの活動は、今まで個別の学校の対応やセレモニー的なイベントが多
かったのですが、横のつながりをつくるようなものを始めようという話がありま
す。11月の文化の日前後のご予定を空けていただけるとよいかもしれません。場
所は東京になると思います。
>ただ良いことばかりではなく,課題も見つかっています.
>(詳しくは論文にも掲載しておりますが)大きい問題の一つは
>生徒間の差がかなり拡大してしまったことです.問題解決がなかなか
>進まずに苦労した生徒もおり,学習環境・教材・指導法等を総合的に
>改良した2年目(現在実践中)ではグループ学習を取り入れたり,
>ポートフォリオをリフレクション(振り返り学習)に活用したりと
>工夫を凝らしながら,生徒の問題解決能力を高めるカリキュラム
>デザインをめざしております.
興味深いですね。論文集だけの入手も出来るようなので手に入れてみようと思い
ます。
http://ce.tt.tuat.ac.jp/index.php?SSS2005#s866d8c5
2月に山宮さんとはこだて未来大でワークショップを行ったとき、学生にリフレク
ションの習慣が付いていることに驚きました。区切りごとにリフレクションレポー
トを書いて先生はそれに基づいて指導を行います。
クローズドイベントで申し訳ないのですが、9/4に多摩美とHP-Squeakersのジョイ
ントワークショップが予定されており、ここでも積極的にリフレクションを取り
入れようと思っています。
# 前回のワークショップの子供向けアップグレード版になる予定です。
# http://www.smalltalk.jp/pipermail/squeak-ja/2005-July/002553.html
また、農工大の並木先生が行われている高校生を対象としたITスクールのように
資質のある子を徹底して伸ばすという方向性も必要なのかなと思ったりもします。
http://www.smalltalk.jp/pipermail/squeak-ja/2005-August/002573.html
>私の研究は実際の公立高校での実践をフィールドとしていることもあり
>なかなか科学的な評価がしにくかったり結果が出るまでに時間がかかる
>ことも多いのですが,ワークショップ等で実践経験豊富な Squeaker の
>方々からもご意見をいただいたり助けていただきながら少しずつですが
>進めています.(先日も京大のWSでも色々とお世話になりました.
>ありがとうございます.) 今後ともまたお世話になるかと思いますが,
>よろしくお願いいたします.
科学的な評価というのはreal scienceを標榜していながらぜんぜんできていない
ので耳が痛いです。期待しています。
こちらこそ、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
//abee
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阿部 和広 EMAIL abee.abe @ nifty.ne.jp
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