[Squeak-ja: 2755] アラン・ケイ博士の少年時代とクラーク先生のお話
戸塚 滝登
t_totuka @ tc4.so-net.ne.jp
2005年 12月 7日 (水) 19:08:15 JST
こんにちは、戸塚と言います。四半世紀に渡って教育現場でコンピュー
タ教育を実践し続けてきた元小学校教諭です。日本のパイオニア教師の
一人です。パパート博士のLogo、そしてケイ博士のSqueak
の大ファンです。このMLには初めてお便りを書きます。よろしく
お願いします。
去る10月27日の大座畑さんのメールの後に続けた話題で
す。昨年の11月に京都国際会館で開催された京都賞受賞記念講演
でアラン・ケイ博士は『Turning Points』と題した大変印象深い
講演をなさいました。
その中で10才のケイ少年が電磁石を手作りし、それを当時の担任
だったメアリ・クラーク先生に誉められて、学校嫌いだったケイ少年が
初めてサイエンスを学ぶ楽しさに目を開かれるというとても感動的な話
がありました。博士にとってはこの時感じた学ぶ楽しさこそが、後年、
自分がAltoと呼ばれる世界最初のパーソナルコンピュータと
SmallTalkを生み出すきっかけになったという内容でした。
大変美しいエピソードなので、当時、小学館の教育技術誌に連載を受け
持っていた私は会場でいたく感激したことを覚えております。この話を
ぜひとも現場教師の方々に広く紹介したいと思いました。そして今回、
本の中にそっくり収録することができました。
今週発売されたばかりですが、『コンピュータが連れてきた子どもた
ち』(小学館)という本です。中にケイ博士が あの伝説のマシ
ン:Alto の前で微笑んでいらっしゃる貴重な写真も収録されて
います。ぜひご覧ください。(高田先生と大島さんのご協力を頂きまし
た。本当にありがとうございました。)
残念ながら、博士とAltoの写真を本の表紙に使おうとデザイナー
さんとイラストレーターさんが努力してくださったのですが、編集部の
意向で最終段階では赤ちゃんの写真を使ったデザインに変えられてしま
い、がっくりしています。(ケイ博士、ごめんなさい!)
しかし、教育に関しては日本一保守的で有名な(?)出版社が、
SqueakやLogoのことを紹介した本を出したのですから世の中も変
わりましたね。きっとSqueakがこれからの教育現場のトレンドに
なるような気がしてワクワクしています。ではまた・・・。
2005年12月7日 戸塚滝登(早稲田大学客員研究
員、NHKこどもメディア研)
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